第8回日本公衆衛生看護学会(愛媛)に YBiTコアメンバーの髙橋が参加し、 「ナッジ理論を活用した保健指導案内通知の改編の効果」 というタイトルでポスター発表を行いました。今回の報告は高橋が行います。
沢山の方に聞いていただくことができ、改めて公衆衛生看護の分野でも関心が高いことが分かりました!また、今回嬉しかったことの一つが、学会で初めてご挨拶をする方の何名かは、既にYBiTをご存知の方もいたことです。
さて、今回の発表事例の評価デザインは、前年度との比較で、交絡要因などは調整できず、過去の傾向や既存のデータで考えられることから結果を解釈しました。正直、こんなファジーな検証で発表していいものか、結構悩みましたが、以下のことから発表することに。
それは、「どんな小さなことでも、できる範囲で検証を行うことが大切であり、そうすることで必ず次につながる」という思いでした。
行政では、「チラシや案内物の作成」から「数年単位にまたがる大規模な介入事業」など、様々なレベルの業務を行いますが、全てが全て、RCTや準実験的な手法をできるわけではありません。今回は、通知物の仕様も変更できない段階に入ってからのナッジ活用事例であり、これまでであれば、おそらく活用しっぱなしだったかと思います。
ここで忘れてはいけないことが、新たに何かを工夫して変更すれば、それが従来よりも良くなるとは限らないことです。そのため、検証はできる限り行う必要性があります。
今回の学会発表では、この検証マインドを忘れてはならないとの自戒も込めて発表しました。来年度以降は、評価デザインがしっかりとした検証を発表できたらと思っています。
また、質疑では、倫理性に関するご質問を頂きました。見事に、今年度参加した3つの学会のいずれにおいても、この倫理性に関するご質問をいただきました!倫理的な課題についてはYBiTでも整理中ですが、こうした関心の高さからも必要性を再認識するところです。
今年度も、多くの自治体の方やアカデミアの方と意見交換しながら、ナッジについて深めていきたいと思います。よろしくお願いいたします!