YBiTのきっかけ

  • 「せっかく人生の多くを費やす仕事なんだから、より効果や意義のあることをやりたい!」
  • こんな当たり前の問題意識を持った横浜市の有志職員が中心となり、2018年9月から月1回ペースで 「政策イノベーション研究会」を開催してきました。
  • メンバーが出会うきっかけになったのは、「横浜市調査季報」のデータ活用特集(2018年)です。そこに寄稿した津田大山がお互いの記事に共感し、同じ問題意識を持つ堂前、鈴木、春日も誘っての集まりが8月。そこで浮上した「政策イノベーション研究会」のアイデアを一か月で形にしました。
  • 研究会のビジョンは、科学的なエビデンスに基づいて真に効果のある政策を立案・執行する「EBPM」と横浜市らしい「イノベーション」を両立させること。ケ ーススタディを行うだけでなく実践することで、仕事へのやりがいやワクワク感を得るのもミッションです。
  • 日本最大の基礎自治体である横浜市が動く影響は大きいと考えていますが、いくら文明開化以来の開放的な伝統を持つといっても、教職員含めて4万人もいるのですから、簡単な話ではありません。
  • そこで重要になるのは個々人です。冒頭に掲げた問題意識を抱き続けるだけでなく、自ら率先して取り組むことで、自分だけでなく周りをも変えられるであろう人に多数呼びかけ参加してもらいました。また、横浜市立大学データサイエンス学部の先生方や、中央省庁・他自治体の方々にも入っていただき、研究会で化学反応を起こす触媒役を務めてもらいました。メンバー数は約50名。研究会は平日夜開催なので参加が難しい方も少なくありませんでしたが、毎回30名程度は参加していただき、熱く中身の濃い議論を行いました。
  • 研究会のテーマは医療、経済、温暖化対策、ナッジ、海外の先進事例など多岐にわたりました。

YBiTの誕生

  • 政策イノベーション研究会には、日本版ナッジユニットBESTを主宰する環境省の池本補佐も参加しています。その池本補佐から「2月に行うナッジの官民協議会に地方自治体代表として横浜市に登壇してほしい」という話をいただいたこともあり、政策イノベーション研究会からスピンオフさせる形で横浜市版ナッジユニットを立ち上げようという話になりました。横浜市行動デザインチーム(YBiT)の誕生です。これを契機に、ヘルスリテラシーや行動変容理論について大学院で学んだ髙橋、温暖化対策分野でナッジを活用していたプロジェクトに既に取り組んでおり英国大学院留学経験もある植竹、デザインスキルの高い古西もメンバー入りし、ナッジユニットとしての事務局メンバーの専門性や多様性も一気に高まりました。

YBiTの活動

  • 本ウェブサイトのトップページに紹介しているように、YBiTは①事例・フレームワーク紹介、②人材育成、③事例創出、④行動デザイン・コミュニティの構築の4つの柱を中心に活動しています。それぞれの活動については今後コラムなどで詳しく紹介しますが、設立から半年間の活動や成果についてざっと数字を並べると以下の通りです 。

<数字で見るYBiT>

研究会 参加者200人以上
研究会 開催回数8回
研修 開催回数4回
相談対応 件数20件以上
連携する他自治体数10以上
学会等報告行動経済学会、思春期学会、公衆衛生学会、BECCJAPAN
  • こうした成果を出すために、YBiTは海外の先進的な行動デザインチームから積極的に学びました。OECD(2017)などが指摘するように、後進の行動デザインチームがするべき一丁目一番地は、既存の事例やフレームワーク、推進体制などから積極的に学ぶことです。特に英国BITの代表であるDavid Halpern氏には、来日時に独占インタビューを行ったり、懇親会に誘って教えを乞うだけでなく、アドバイザーにも就任してただきました。また、日本版ナッジユニット(BEST)のみならず、英、米、カナダの行動デザインチームとも連携を深めています。
  • このように先進事例に学びながら実践することで、YBiTも急速に知見を蓄積しています。そこで、事例やフレームワークのみならず、行動デザインチームの体制、必要な専門性、普及戦略などについて、日本の行動デザイン普及のために積極的に発信していきます。

YBiTのビジョン

  • 厳しい財政制約や困難な行政課題に直面する一方、テクノロジーの進展も著しい。こうした時代に地方自治体が対応するためには、エビデンスにしっかり基づいて、人間の特性を踏まえながら、真に効果のあるサービスを提供することが不可欠です。EBPMや行動デザインはその際に最も有効なツールであることは間違いありません。YBiTは、日本全国の地方自治体や省庁、アカデミア、世界中のパートナーと連携して、EBPMや行動デザインの普及に貢献します。
  • こうしたビジョンを実現するためには、最高のチームが不可欠です。メンバーが目的や意義をしっかり理解し、自らマネジメントすることで、やりがいを感じながら取り組める組織。例えば『ティール組織』などが示すようなこれからの時代の組織や働き方も踏まえつつYBiTは取り組みます。

引用1  横浜市調査季報182号「特集:データ活用のこれから」http://archive.city.yokohama.lg.jp/seisaku/seisaku/chousa/kihou/182/

「エビデンスに基づく政策推進に向けた医療ビッグデータの活用」(大山紘平) http://archive.city.yokohama.lg.jp/seisaku/seisaku/chousa/kihou/182/kihou182-015-018.pdf

「地方自治体の政策形成におけるデータ活用事例」(津田広和)http://archive.city.yokohama.lg.jp/seisaku/seisaku/chousa/kihou/182/kihou182-040-049.pdf

引用2  http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge.html 

引用3 http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/post_49.html

引用4 OECD. 2017. “Behavioural Insights and Public Policy Lessons from Around the World” https://people.kth.se/~gryne/papers/OECD_2017.pdf

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。